レーザーマーカー

レーザーマーカーとは、レーザー光を利用して基板や部品にマーキングを行う装置です。

基板実装の工程において、シリアル番号・バーコード・2Dコード・ロゴなどを高精度かつ非接触で基板や部品に刻印するために使用されます。印字は永久的であるため、耐熱性や耐摩耗性が求められる基板や電子部品には最適です。そのため、基板のトレーサビリティ向上に寄与し、製造ラインの効率化や製品の信頼性向上にも大きく影響する設備の一つです。

代表的な種類は以下の通りです。

■ファイバーレーザー
基板や金属部品へのマーキングに最適です。
高精度でかつ高速処理が可能であり、硬い材質にも対応できるため、精密なマーキングが求められる基板に最適です。

■CO2レーザー
主に非金属材料へのマーキングに使用され、プラスチック基板やセラミック部品に適しています。
高い解像度と均一な仕上がりを提供します。

■グリーンレーザー
特に高精度なマーキングが要求される場合に使用され、金属基板や特殊材料への処理に最適です。
深い刻印が可能で、反射率の高い素材にも対応します。

■UVレーザー
微細なマーキングを求められる場合に最適で、基板表面を傷つけることなく高解像度のマーキングが可能です。
特に繊細な部品へ使用されるケースが多いです。

非接触でのマーキングが可能なため、基板や部品を傷つけることなく高精度な加工が行えます。これにより、微細な電子部品やデリケートな基板にも適応可能です。加えて、インクやラベルを使用しないことから、ランニングコストの削減と環境負荷の軽減にも繋がります。従来の印字方式に比べ、非常に短時間かつ正確なマーキングが可能なため、生産性が大幅に向上します。特にシリアルナンバーやQRコードなど、トレーサビリティが求められる基板においては役立つ設備です。

また、多様な材質への対応力も大きな利点と言えます。金属・プラスチック・セラミックなど、さまざまな素材に対して耐久性の高い刻印を施せるため、後工程や長期使用においても安定した品質を維持することができます。

はじめに、適切な設定と素材選定が不可欠です。レーザー光の種類や出力、マーキング速度を素材に応じて調整することにより、高品質なマーキングが可能になります。加えて、基板に取り付けられるフィクスチャーやカメラ補正機能を活用し、マーキング位置のズレを防止することも大切です。特にQRコードやバーコードなどのトレーサビリティ情報は、正確な位置に刻印される必要であるため、非常に重要なポイントと言えます。

また、生産ラインとの統合も有効な方法です。理由は、レーザーマーカーを他の機器と連携させることで自動化と効率化が実現するからです。たとえば、マーキングデータを検査機とリアルタイムで共有すると、不良品を早期検出できるようにもなるでしょう。